面接が待っていると思っていたので、何を聞かれるのか、ちゃんと理解して答えられるかなどと憂惧し、緊張して、不安だったには違いない。
目的地に到着。
国境の橋のたもとにある平べったいビルの中に入る。そこには、女性(以後オンナ)1人、男性(以後オトコ)1人、合計2名の国境官がいて、なにやら話しをしていた。明らかに、彼等は私の存在に気付いているが、話が面白かったんであろう、完全に無視されている。話に割って入るべきか、終わるまで待つか、モジモジしているわたしを、オンナの方が見て、めんどくさそうにこう言った。
「なに?」
かなりフランクでビビったが、ここでわたしは、好印象を与えなければいけないんだ、となぜか考え、丁寧に、こたえた。
「あー、わたしは、永住権を申請していて、先日、最終段階の通知を受け取った。そして、それには、ここに面接に来るように書いてあったんですが」
「面接?」「面接ってなんの?」
わたしは、なんの面接って永住権申請に関する面接に決まってるやん。そのためにこんなとこまでえっちらほっちら来たんやで、と心で思い、こう言った。
「永住権に関する面接だと思います」そして、通知書を見せ、「ここに書いてあります」
「面接なんてないよ」「ここでは面接なんてしないから」オンナは冷たく言い放った。
さあ、どうしよう・・・事は、わたしが期待したようには進んでいない。それに、彼等に聞いても、助けてくれない雰囲気がムンムンしている。面接に来るように言われて、それがないなら、わたしは何をすればいいんだろう。ちゅーか、何をするためにここに呼ばれたんだろう。
オンナは「もー面倒だから、消えてくれ」と言わんばかりだが、ここでおめおめと帰るわけにもいかんので、オトコの方にいろいろ質問した結果、カナダ、U.S.A.の国境を越え、後は、アメリカサイドで聞け」となった。
やはり、国境を越え、アメリカへ渡らなくてはならないようだ。事前のリサーチで、もしかしたら、国境を超えないといけないかもしれないが、カナダで面接が行われるなら必要ないかもしれない、ともあったので、超えないで済ませられるならそれがいいなーと強く期待していたが、もー、行くっきゃない。
アメリカの地に到着。
オトコに言われた通り、国境を越えアメリカサイドに到着したら、皆さん、とても親切で拍子抜け。やるべき事を手取り足取り教えてくれて、予想通り、指紋採取をされ、そこにあった、ATM でU.S.ドルを入手、指紋採取の料金を支払い、スタンプを押してもらって、カナダに再入国。
おわった!後は、永住権カードが自宅に送られてくるのを待つのみ。
誰も、「ようこそ、カナダへ!」と笑顔で迎え入れられるのを期待していたわけではないが、わたしの経験から言って、このたびの国境官の仕事に対する姿勢は、いただけない。カナダは、移民の国ではないか。人生のオオゴトの一つである移住に必要不可欠な永住権獲得のプロセスを、どうして助けてやれんのか!それも、仕事の1つではないのか。移民たちは、申請に関し、間違えられないから、常にこれで正しいのか、と不安で押しつぶされそうなのである。その彼等をいじめて、いったいそこから何を得るのだ。


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